Normal DANTSU Rugs. ふつうの、良いじゅうたん。
2026. 10 /10 sat. – 10 /18 sun.
11 a.m. – 6 p.m.
山形緞通は、「YAMAGATA DANTSU STANDARD」を立ち上げました。
今や紋切り型の表現になってしまった「普遍的で、上質なスタンダード」の本物を目指して、私たちが培ってきたあらゆる力を結集し、真正面から取り組むプロジェクトです。
振り返ると、念願だった本プロジェクトのスタートまでには、8年以上の歳月を要しました。「緞通」という特殊な敷物。技法・文様・色調の複雑性を追求し、その精緻な表現を大切な価値としてきた手工芸にとって、自信をもって「ふつう」を世に問うことは、これまでの価値観を一新していくプロセスでした。
本プロジェクトの立ち上げに際しては、アートディレクターに深澤直人さんをお迎えいたしました。そして、1st COLLECTION「STANDARD COLORS」において、新しい無地のじゅうたん『CRAFTON』の色調開発・監修を手掛けてくださったのは、YAECAの服部ご夫妻です。
きっかけは、深澤さんが工房をご視察くださった際のことです。2023年に私たちが服部夫妻と共同開発した無地のじゅうたん『NEW CRAFTON』に関心を寄せられ、後日、「次作の色調開発も、YAECAさんに依頼するのが良いのでは」とおっしゃいました。
それは、まさに我が意を得たりの出来事で、プロダクトデザインとファッション、現代の暮らしを舞台に、世代と領域を超えた「スーパーノーマル」のバトンが自然と繋がったことに、心が躍りました。
上質な無地のじゅうたんを安定して生み出すことは、作り手の技術と姿勢が露呈する、ごまかしがきかないものづくりです。原料、糸づくり、織り、仕上げ、あらゆる工程において、少しでも綻びや油断が生じれば、それはたちまち粗さとなって表れます。
本コレクションの開発にあたっては、素材、糸番手、織りの密度、1ミリ単位での毛足の長さなど、まっさらな視点ですべてを再検証しました。その結果たどり着いたのは、工房で60年以上続いてきた定番中の定番仕様でした。「ふつうの良いもの」へと向かうには、「ふつう」ではない修錬と時間の堆積が必要なのだと学びました。
本展示においては、全 色の「STANDARD COLORS」を一堂に展示いたします。また、ギャラリーと和室にじゅうたんを誂え、触覚から、視覚から、ご体感いただけます。住まいにあわせたオーダーメイドや敷き込みのご相談も承ります。そして、日本では目にする機会の限られた深澤さんの最新プロダクトをあわせて展示いたします。
私たちのこれからにとって、はじまりのコレクションとなりました。ぜひ会場で、ものづくりにお触れいただけますと嬉しく存じます。
山形緞通・プロデューサー
渡邊貴志